ゴールデンウイークの急ピッチの仕上げで、なんとかお披露目となったキッチンのリノベーション 無垢材には汚れやすい傷つきやすい、コストが高い などいろんなデメリットがあるが、それらを度外視するほどにあたたかみがある 愛着が生まれる そう、手のかかる子ほど可愛い 蜜蝋をなんども塗りなおしたり、裸足になって柔らかい質感を確かめたり、 傷がついた時のことを思い出して見たり 使う人の生活によってどんどん味がでてオリジナルな素材になってゆく めんどくさいけど、とても愛おしい居場所です
1995年1月17日 小学生だった私は、寝ていた二段ベッドが部屋の中央まで動いたのに寝たままだった 気絶してるんじゃないかと心配する両親に叩き起こされると、部屋はめちゃくちゃ水も電気も止まっていた 幸い家族、親戚は無事だったけど、仲良くしていたおにいさんが亡くなった 子供だったから、その時どんな対応をしたのか、どんなことに困ったのか、曖昧な記憶でしかないけど、悲惨な事がことが起こったという事実は風化されないように伝えていか無ければ、と思います すごく個人的ではありますが、建築を設計するものとして地震を体験して気づき大事にしたいと思うことは 【土地の歴史に対して敏感になること】 当時近所で、全壊または半壊になった建物は、よほどボロボロでないかぎり溜池を埋め立てたところ、池の近くなど、古くは村も民家もなかったところがほとんどでした つまり、昔はそういう危ない場所には無理に建物を建てていなかったということ 技術的に構造をしっかりさせるのはもちろん当然、地盤を調査するのも当然です、でもその前に、その土地がどういう土地なのかを知った上で建築をすべきだと感じます 去年の広島の土砂災害でも、新興住宅地として売り出すために、先人の警告を無視して元の地名を縁起のよい地名に変えていたらしい 土地、建物を「既製品」のように売ることはとても危険だと思う ローマ時代、建物がまだたくさんなかった時代は、建物や街をつくる場所を見定めることも、建築家の資質だった 同じような災害が起きないためにも、建築を計画する人も一般の方ももっと土地について考え、知る努力をする社会になってゆけばなぁと想います 2015年阪神高速神戸線
住宅も建物も、身の回りの物資も飽和した時代に、何を作って生きてゆくか …現代に足りなくて困ってるものがあるのか? お金を稼ぐこと、経済成長イコール豊かさなのか? 選挙に行ったり、生活の為の仕事しながら考える。 未来に向けて、残したい、つくりたい建築はどんなものか? 過剰に便利で不自然に綺麗な既製品より… それぞれの身の丈に合った普段着のような建物 土着的で場所に寄り添う建物、 誰にでも身近で手作りできるようなシンプルな建物、 そして、使う人が愛着を持つ建物、 お家。 そんなものをつくってゆきたい
【旧九重小学校】Bookcafe kuju×パンむぎとし×ガケ書房九重支店 企画構想2年の歳月、設計提案をして約1年、ついに全部オープンしました。 苦労も楽しさもたくさんありましたが、いろんな人の想いがこもったこの場所が新たな一歩を踏み出したことがすごく感動です。 僕が一番うれしかったのは、お施主さんがすごーく喜んでくれていること。いろいろあったけどひとつカタチになって良かったなぁ。って。 訪れたお客さんもよかったねぇ、良かったねぇって。 建物をつくる人としてこんなに嬉しいことはないです。 きっとこの場所はこれからもっともっと進化して、魅力的な場所になっていくんだろうと思います。 新オープンの本屋スペースは思いがけない素敵な本にたくさん巡りあえます。ついつい没頭してしまう!!誰でもきっと素敵な本と出会えると思います。 遠い場所ではありますが、みなさんも旧九重小学校をよろしくお願いします。 bokcafekujuの北山川が見えるカウンター席より 旧九重小学校 〒647-1233 和歌山県新宮市熊野川町九重315 0735-30-4862 bookcafe kuju 営業:土・日・祝12:00~18:00 パンむぎとし 営業:土・日12:00~売切れ次第終了 世界遺産熊野古道にも程近い、熊野川町という過疎の集落の廃校を使った、素朴な暮らし、生き方を提案する施設です。 地元産の材料、地域に余った家具や資材を、たくさんのボランティアと素人の地道な力で、作り上げました。 自分の力で、居場所をつくるということを身近に感じられる、素朴で落ち着けるお店です。