20年 土地の歴史を大事に
1995年1月17日
小学生だった私は、寝ていた二段ベッドが部屋の中央まで動いたのに寝たままだった
気絶してるんじゃないかと心配する両親に叩き起こされると、部屋はめちゃくちゃ水も電気も止まっていた
幸い家族、親戚は無事だったけど、仲良くしていたおにいさんが亡くなった
子供だったから、その時どんな対応をしたのか、どんなことに困ったのか、曖昧な記憶でしかないけど、悲惨な事がことが起こったという事実は風化されないように伝えていか無ければ、と思います
すごく個人的ではありますが、建築を設計するものとして地震を体験して気づき大事にしたいと思うことは
【土地の歴史に対して敏感になること】
当時近所で、全壊または半壊になった建物は、よほどボロボロでないかぎり溜池を埋め立てたところ、池の近くなど、古くは村も民家もなかったところがほとんどでした
つまり、昔はそういう危ない場所には無理に建物を建てていなかったということ
技術的に構造をしっかりさせるのはもちろん当然、地盤を調査するのも当然です、でもその前に、その土地がどういう土地なのかを知った上で建築をすべきだと感じます
去年の広島の土砂災害でも、新興住宅地として売り出すために、先人の警告を無視して元の地名を縁起のよい地名に変えていたらしい
土地、建物を「既製品」のように売ることはとても危険だと思う
ローマ時代、建物がまだたくさんなかった時代は、建物や街をつくる場所を見定めることも、建築家の資質だった
同じような災害が起きないためにも、建築を計画する人も一般の方ももっと土地について考え、知る努力をする社会になってゆけばなぁと想います